“製品・サービス発表会”とは、プロモーションの要素を強くもつ記者会見で、御社で、新しい製品やサービスが販売になるときには、メディアをとおして広く世間に認知されることを目的とします。その際、御社ではどのようなPR活動をしておられるでしょうか。
「プレスリリース」だけで事足れり、としていたら、再度マスコミ対応そのものを検討してみてください。通信会社や新聞社、雑誌社、テレビには、毎日多くのプレスリリースが届きます。また、記者の数も限られています。当然ニュース価値の高いものから、取材をしていきます。そのときに、多くのリリースは一読されただけで、机のスミにうずもれてしまうかもしれません。そのようにならないためにも、プレスリリースだけではない、メディアへの発表を準備する必要があります。
また、新製品・新サービスの内容によっては、実物やデモンストレーションをともなうものも多く見られます。テレビやラジオ、最近ではインターネット・ニュースなどの媒体も多くの人々に、分かりやすく認知してもらうには有効となります。
新製品発表の場合は、販売店や業界の方々へ向けたもので、記者に対しては「記者説明会」「新製品説明会」として、スピーチやデモンストレーションだけの場合があります。その際、質疑応答がないときもあります。
しかし、記者の立場に立つと、資料とプレゼンテーションだけでは、記事にしずらいときもあります。このようなプレゼンテーションは、ままとして、企業側の一方的なメッセージであることも多く、記者が書きたいことに直結しているとは限りません。良い記事を期待するならば、短い時間でも質疑応答の時間を用意することもポイントとなります。
さらに、記者会見の前後に個別のメディアのインタビューに答えることも有効でしょう。記者にとっては、ニュース性の高いコメントが聞けるチャンスです。このとき、記者会見ではできなかった追加メッセージを提供すると、大きな記事になる場合があります。また、テレビなどのメディアでは、個別インタビューの映像があると、取り扱いも大きくなることがあります。
戦略財務記者会見では、会社の設立、大々的な組織改変、合併や買収に加えて、業績など、経営に関するさまざまな内容を発表します。
記者にとって、話題性の高い内容は、取り上げられやすくなるのは、当然ことですが、発表者である企業側が伝えたいことが、必ず記事になるとは限りません。ですから、伝えたいことを、コンパクトにかつ誰もがわかる言葉で発表することが大切です。
業績発表のような記者会見では、業績が良いときは、取り上げてもらえず、悪いときは大きくとり上げられがちです。それは、業績が悪いときには、世間が「どうして業績が悪くなったんだ」「経営方針に問題あるのでは」といったように注目しがちであるからです。多くの読者が興味を引くような話題には、たくさんの紙面を割きます。 そのため、もし業績が悪いときには、「こういう理由で、業績がふるわなかったが、今後はこの点を改善するので、このように良くしていきたい」ということを、しっかりと誠実に説明をすることが重要となります。
前向きな態度、真摯な姿勢は、たとえマイナス要因の発表だとしても、多少なりとも和らいだトーンで記事を仕上げてくれるかもしれません。また、ある新聞社では、厳しい記事だったとしても、違う社では、好意的に扱ってくれる可能性もあります。マスコミには真摯に対応することが大事です。
このように、マスコミは、マイナス要因は大々的に取り上げがちですので、マイナス要因を含む内容を発表する場合には、事前の準備が大切です。
企業同士の合併の場合でも、「吸収合併される」「業績の悪いもの同士がくっつく」といったイメージは、払拭させなければなりません。
※ グローバリゼーション化した目まぐるしく変化する市場のトレンドに、適応することが企業の至上命題だと考えます。このたびの合併は、このような考えを一つにもつ私たちの当然の帰結でした。
※ 合併をすることで、良い広いマーケットを相手にすることができます。同じ業界の企業といえども我々は、顧客層は大きく異なります。そのため、仕入れ・流通コストなどの削減を可能にします。
というように、どれか一つでも結構ですので、マイナスにならないメッセージを発信しましょう。
このような記者会見には、記者からの質問も受けることがあるでしょう。相手の言う内容を良く把握し、マイナス記事にならないように事前の準備が必要でしょう。
記者会見で有効なことは、企業のマスコミ登場による、世間での認知度アップだけではありません。マスコミとの有効な関係を形成することで、緊急事態などの有事にも適切に対応してもらえるようにすることも大切なことです。そのためには継続的なマスコミへのアピールを心がけましょう。
共同記者会見には、大きく分けて2つに大別できます。「マスコミを複数社呼ぶ」場合と「主催者側の企業が複数社」ある場合です。 まず、マスコミを複数社呼ぶ場合をご説明しましょう。 マスコミを、複数社呼ぶ発表会には「三社レク」「記者向け勉強会」「メディアラウンドテーブル」などがあります。
主要産業3紙(日本経済新聞、日刊工業新聞、(旧)日本工業新聞(フジサンケイビジネスアイ)をさすのが一般的です。しかし、企業の業態によっては、この 3紙の内容が変わったり、4社になったり、とさまざまになります。そんなに決まった形態はないので、アピールしたい媒体をよぶのがよいでしょう。
新しい法律、制度、最新医療、最先端技術に関する一般的に認知の低い事柄について、企業や大学、機関などが説明をする会です。
社長と記者達の情報・意見交換をする場をさします。社長より企業の近況を報告したり、この三パターンのなかでは一番うちとけたものとなっています。可能なかぎり継続して行うと、直接記事には結びつかなくても、マスコミとの関係構築には効果的といえます。
また、共同記者会見には、主催者側が複数社ある場合があります。これは、合併や、それに結びつくような協力関係のアピール、さらには、共同商品開発などを発表する場となります。この場合は、イベント性が高いものも多く、大がかりな事前の準備も必要です。不慣れな場合は、PR会社へ頼むのがよいでしょう。もし、失敗に終わったら・・・と不安になるより、安全な対策といえるでしょう。
自社でとり行う場合は、共同で開催する企業とのミーティングでの意見交換が大切です。発表会進行や、最初の挨拶はどうするのか、など、細かに決めていかなければなりません。 たとえば、新しいゲーム機器の発表会の場合は、記者達にも実際に使って体験してもらうことも、良い記事になる効果的な発表といえるでしょう。記者会見の準備に関することは、別項でとり上げたいと思います。
さらに、マーケティング記者会見には、発表日時を事前に計画することが可能です。発表日時を選ぶには、コツがあるのでしょうか。ズバリ「ある」と言 いましょう。 しかし、もちろん前提は、「なるべく早く」ということが鉄則です。新しい“ネタ”には、ニュース性があっても、時間と共に劣化していきます。 この前提を踏まえたうえで、新聞・週刊誌の締め切りを考慮しておくとよいでしょう。
朝刊
たとえば火曜日発売の週刊誌ならば、締め切りは、発売号の前の週の水曜日、遅くても木曜日の午前中と考えればよいでしょう。
また、
をねらうとよいでしょう。しかし、これらの時間はあくまで目安で、「情報はいち早く」が鉄則です。